引っ越しは新しい生活のスタート。
ワクワクした気持ちで新居に入ったはずなのに、目の前に広がるのは大量の段ボール…。”早く片付けなきゃ”と思えば思うほど、体も心も重くなってしまいますよね。
「こんなに疲れるなんて思わなかった」「私だけ要領が悪いのかな」と不安になる方も少なくありません。
この記事では、荷ほどきが疲れる本当の理由と、少しでもラクに終わらせる具体的なコツを解説していきます。
なぜこんなに疲れる?引っ越し荷ほどきがしんどい本当の理由

荷ほどきの疲れは、体だけでなく、心や脳にも負担がかかっていることが大きな原因です。それぞれを順番に見ていきましょう。
小さな動作の積み重ねが体力を奪う仕組み
段ボールを運ぶ、テープをはがす、中身を取り出す、包み紙を外す、棚にしまう。
どれも一つひとつは軽い作業ですが、これを何十回、何百回と繰り返すことで、徐々に体力が奪われていきます。
特に前かがみや中腰の姿勢は、腰や背中に大きな負担をかけます。
気づかないうちに肩に力が入り、首や肩がガチガチに固まってしまうこともあります。
また、細かい仕分けや収納作業は指先や手首を酷使します。「重い物を持ったわけでもないのに、ぐったりする」というのは、この小さな動作の積み重ねが原因です。
全身の筋肉が長時間緊張状態になることで、想像以上にエネルギーを消耗してしまうのです。
こまめに休憩を挟むだけでも、疲労のたまり方は大きく変わります。
環境が変わるストレス「引っ越しブルー」の正体
引っ越しは前向きな出来事ですが、同時に大きな環境変化でもあります。
慣れ親しんだ景色や近所のお店、聞き慣れた生活音が一気に変わると、心は無意識のうちに緊張します。
これは体が新しい環境に順応しようとしている自然な反応です。
しかし、その緊張状態が続くと、気分が落ち込みやすくなったり、涙もろくなったり、やる気が出なくなったりすることがあります。
これがいわゆる「引っ越しブルー」です。片付けが進まないのは、怠けているからではなく、心が少し疲れているサインかもしれません。
「今は変化の途中なんだ」と受け止めるだけで、気持ちは少し落ち着きます。
決断の連続で脳が疲れる「判断疲労」とは
荷ほどきは、実はとても頭を使う作業です。
「これはどこに置く?」「今使う?」「処分する?」「とりあえず置いておく?」といった小さな判断が、次から次へと押し寄せます。
脳は決断するたびにエネルギーを消費するため、長時間続くと集中力が落ち、ぼんやりしたり、イライラしたりしやすくなります。
これを「判断疲労」と呼びます。
特に完璧に収納しようとすると、選択肢が増えて余計に疲れてしまいます。
あらかじめ「今日はキッチンだけ」「この箱までやったら終わり」と決めておくことで、脳の負担を減らすことができます。
考える量を減らす工夫が、疲れにくさにつながります。
“終わりが見えない感覚”がメンタルを消耗させる
段ボールが山積みになっている光景を見るだけで、ため息が出てしまうことはありませんか。
人はゴールが見えると頑張れますが、終わりが見えないと不安や焦りが強くなります。「いつ終わるの?」「今日中に終わらせないと」と自分にプレッシャーをかけてしまうこともあります。
まずは段ボールの総数を数えてみましょう。
そして、1つ片付けるごとに減っていく様子を意識してみてください。視覚的に”減っている”と感じられると、達成感が生まれます。
引っ越し前にできる!荷ほどき疲れを減らす準備のコツ

実は、荷ほどきの大変さは引っ越し前の準備でかなり変わります。ここでは、無理なくできる準備のポイントをご紹介します。
荷物を減らすだけで圧倒的にラクになる理由
荷物の量は、そのまま荷ほどきの作業量です。
つまり、段ボールが10箱減れば、開封や収納の手間も10箱分減ります。
「いつか使うかも」と思って保管している物は、意外と使わないことが多いものです。
完璧に減らそうとしなくても構いません。
明らかに不要な物、壊れている物、何年も使っていない物だけでも整理してみましょう。荷物が少ないと、新居もすっきり感じられ、気持ちの余裕も生まれます。
無理なく進める断捨離の具体的なステップ
断捨離は一気にやろうとすると疲れてしまいます。
「1日1カテゴリー」と決めると取り組みやすくなります。
今日は洋服、明日は書類、その次はキッチン用品というように分けて進めましょう。
さらに「1年以上使っていない物は手放す」など、自分なりのルールを決めると迷いが減ります。思い出の品は写真に撮って残すという方法もあります。
大切なのは、自分が納得できる形で進めること。小さな積み重ねが、大きな負担軽減につながります。
新居を基準に考えるラベリングの工夫
段ボールに「キッチン用品」と書くだけでなく、「キッチン下段右」「洗面所引き出し用」など、新居の具体的な場所を書いておくと迷いません。
さらに「★すぐ使う」「△後回しOK」など優先度を書き添えると、開封順も明確になります。
色分けシールを使えば、ひと目で分類がわかります。家族がいる場合も、誰でも迷わず作業できます。少しの工夫ですが、当日の混乱を大きく減らし、心の余裕を守ってくれます。
梱包・開梱サービスは使うべき?費用対効果の考え方
体力に不安がある方や、仕事や育児で忙しい方は、プロのサービスを利用するのもひとつの方法です。
費用はかかりますが、「時間と体力を買う」と考えると価値を感じられる場合もあります。
すべてを任せる必要はありません。
キッチンだけ依頼する、重い家具周りだけお願いするなど、一部利用も可能です。無理をして体調を崩すよりも、必要なところは頼る勇気を持つことも大切です。
当日から実践できる!疲れない荷ほどきの進め方

荷ほどきはやみくもに始めるのではなく、順番やルールを決めることで、疲れ方は大きく変わります。ここでは、すぐに実践できる具体的なコツをご紹介します。
最初に作るべきは「生活できる空間」
全部を一気に片付ける必要はありません。
まずは寝る場所と、簡単に食事ができるスペースを整えましょう。生活の基盤ができると、心に安心感が生まれます。
最低限の動線が確保できれば、残りは少しずつ進めれば大丈夫です。
「今日からここで暮らせる」という状態を作ることが、焦りを減らし、疲れをためないポイントです。
段ボールの開封順を決めるだけで効率が変わる
優先度の高い箱から順番に開けるだけで、作業はぐっとスムーズになります。
必要な物がすぐ見つかれば、探し回る時間も減りますし、ストレスも軽くなります。
事前に書いたラベリングがここで活躍します。順番が決まっていると迷いが減り、判断疲労も軽くなります。迷わない仕組みを作ることが、疲れにくさにつながります。
1箱ずつ終わらせる“完結主義”のすすめ
複数の箱を同時に開けると、部屋があっという間に散らかります。
視界がごちゃごちゃすると、気持ちも落ち着きません。1箱開けたら必ず中身を収納し、空にしてから次へ進みましょう。
空き段ボールを溜めないだけでストレスは減る
空き箱が部屋に積み上がると、圧迫感が強まり、疲れも増して感じます。
開けたらすぐにたたみ、ひもでまとめておきましょう。部屋がすっきり見えるだけで、気持ちは大きく変わります。
視覚的なストレスを減らすことは、メンタルケアにもつながります。
最初から完璧に収納しないほうがうまくいく理由
新居での生活は、実際に暮らしてみないと動線がわかりません。
最初から完璧な配置を目指すと、何度もやり直すことになり、余計に疲れてしまいます。
最初は仮置きで問題ありません。
生活しながら「ここにあると便利だな」と感じた場所に少しずつ移動していけば大丈夫です。完璧を目指さないことが、長い目で見るといちばん効率的です。
引っ越しは片付けではなく“暮らしの再スタート”

引っ越しの荷ほどきがしんどいのは、あなたが弱いからではありません。
体も心も脳もフル稼働しているからこそ、疲れて当然なのです。
少し視点を変え、仕組みを整えるだけで、負担はぐっと軽くなります。新しい暮らしは、少しずつ整えていけば十分です。
自分を責めずに、自分のペースで進めてみましょう。
